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レポート

フローメルン民俗舞踏団を迎えて Die Volkstanzgruppe Frommern


 
   フローメルン民俗舞踏団の紹介
Volkstanzgruppe Frommern Shwabischer Alverein
   
  ドイツ南部のシュヴァーヴェンアルプ地方には中世からのダンスや歌や音楽がありました。
時代と共に消えかける貴重な文化を地元の若者たちの手で保存継承する為に、1965年マンフレッド・シュティンゲル氏によってフローメルン民俗舞踊団が設立されました。
全員が純粋なアマチュアで、ダンス・合唱・音楽の3部門から成り、会員は200名を越えます。
  フローメルンの音楽は、ヴァイオリン、フルート、アコーデオン、バス、ハープ、ギター、ドゥーデルザック(バッグパイプ)、シャルマイ(オーボエの前身)、シュヴァーゲル(中世のフルート)などで編成され、伝統的なシュヴァーヴェンの旋律で演奏されます。
    左側の二棟がクラブハウス
  自分達のクラブハウスを2棟持っていて、毎年海外から多くのグループを招いて公演、宿泊、食事、観光まですべての世話をします。
彼等の活動によって、この町は国際的文化交流の町として着実に発展しています。
  ベンダータンツ Bandertanz (リボンダンス)
   
  シュヴァーヴェンの伝統的な春を迎えるダンスです。
毎年5月1日には、飾り付けられた1本の大きな木が各村の広場に立てられ、男女の踊り手がそれぞれ1本のリボンを持って、その木の周りを踊りながらリボンをいろいろに編んで行きます。上の写真がそうですが、男女が着ている衣裳は1900年頃この地方の人達が着ていたような仕事着です。
   剣の舞 Schwerttanz
  剣の舞は、中世のギルトの生活要素として14世紀から発生したもので、共同体の思想を表現しています。
舞の終盤で、キング(王)が剣の上に立って王の言葉を唱えます。
剣の舞は、特別な機会にのみ披露されるものだそうです。

 
  今 剣が互いに繋がりあっているように
今 われわれが剣をしっかり合わせて持っているように
われわれを引き裂くものに打ち勝てますように
力は分けることもできれば 結びつけることもできよう
争い合っている兄弟が仲直りしますように
分かれているものが繋がり合いますように
この地上の人々によき故郷が与えられるために
さあ 神と死と生を迎えよう
   機織の舞 Webertanz
   機織の舞は、ペアーが機織の椅子に座り、糸を通して布を編んで行くところから、出来あがった布を巻き上げて行くところまでの機械の進み具合をダンスで表現します。
    バーリンゲンの衣装 Balinger Tracht
   
  フローメルン舞踊団のこの衣装は、1800年頃にバーリンゲンの裕福な人達が着ていたような式服で、男性の大きな銀ボタンはステータスを表しているそうです。
   説明文 フローメルン民俗舞踊団提供
   フローメルン舞踊団の主なスケジュール
  昨年(H16)神戸民俗芸能団がドイツのバーリンゲンを訪問したのですが、本年はそのフローメルン民俗舞踊団(団長マンフレッドさん以下総勢53名)が神戸にやって来ました。5月12日から24日の滞在期間中、生田神社、神戸民俗芸能団、こうべユースネット、ブラス・ポルテーニョ、益田市の石見神楽などが協力してお世話をすることになり、今年のはじめから受け入れの準備を進めてきました。神戸に滞在中は全員ホームステイということで、我が家にはボリスさんとセバスティアンさんに滞在していただくことになりました。ボリスさんとはすでに顔見知りでしたので、再会が楽しみでした。
(写真や記事は随時UPしていきます)
   
 2005.5.12  関西国際空港到着・歓迎会・ホストファミリーと対面   
 5.13   神戸まつり前夜祭に出演(国際会館)  
 5.14  神戸まつりパレードに参加  
 5.15  兵庫県立美術館にて公演  
5.16   神戸市長表敬訪問  
 5.17  民俗芸能の夕べ(新神戸オリエンタル劇場)  
 5.19〜22  益田市にて石見神楽と合同公演  
5.23   さよならパーティー(生田神社会館)  
 5.24  関西交際空港発・ドイツへ帰国  
 
阪神淡路大震災から10年、更に「日本におけるドイツ年」にも当たる本年、丁度神戸まつりが開催される時期に来日が実現したことは、彼等にとっても大変有意義な年になったことと思います。昨年、私たちがバーリンゲンを訪れた時、まず尋ねられたのが、震災後の神戸のことでした。
今回のメンバーには、20〜30代の若い人たちが多かったです。フローメルン舞踊団には何百人というメンバーがいて、もちろん、先輩達もまだまだ活発に活動を続けておられるのですが、彼等の伝統的な舞踊と音楽が、確実に若い層に引き継がれていることを実感しました。